経営コンサルティングの詳細

 “企業の業績をあげる”ということを考えると、収益−費用=利益の収益を拡大し、費用を低減させれば利益は増加し結果として良い業績を上げることはできますが、あまりにも概念的で具体的な対応策、施策立案のイメージが湧いてきません。そこで、等式を変形させて管理会計的な見方をすると、2つの段階に区分することができます。

 1つは、売上高−変動費=限界利益(付加価値とほぼ同義として捉えます。)の段階で、商品・サービスとその販売における諸活動をいかに改善するかということが重要になる段階です。変動費を低減するためには、サプライヤーとの関係変更を含めて考えなければなりませんし、商品やサービスへの価値の付加やCS(顧客満足)の問題も合わせて検討する必要がでてきます。言い換えれば、商品・サービスの顧客への販売状況を詳細に診断することで、どのような対応が好ましいのかを検討し、新たなサプライヤー、商品・サービス、顧客の関係を創り上げることになります。商品を中心において、前段階のサプライヤーとの関係と後段階の顧客との関係をトータルで設計するということはビジネス・システムそのものを再設計することになります。したがって、顧客が環境の変化に対してどのような選択行動をとるのか。他社との競争にどのようにして打ち勝つのか。そのためには商品・サービスに如何なる価値を付加したら良いのか。インターフェースをどのように改善するのか。サプライヤーをどのように選別し、協働するのか。等々の要素を考え合わせて施策を創り上げる必要があり、加えて、IT化による効率化や諸機能への経営資源の投入量の配分を考えることが必要になります。すなわち、商品・サービスを顧客に販売することに関する「売上高−変動費=限界利益」の改善は、経営戦略そのものの策定を伴うものであるということです。

 次にもう1つの段階は、限界利益−(人件費+経費+金融費用)=利益の段階です。これは獲得した限界利益をそれを獲得するために要した物的資本、人的資本、財務的資本にいかに配分するかの問題として認識する段階です。コスト・ベネフィットの概念を用いて経済合理的に考えると、それぞれの資本が限界利益を獲得するのにどの程度の貢献をしたかを測定することになります。まず第1に財務的資本については、間接金融による他人資本と自己資本のバランスを良好に維持することが必要になります。資金の調達コストは、金利によって計算することができますので、他人資本間の構成や決済基準等を変更させることで借入金に係るコストを低減する必要があります。第2に、物的資本については、経営資本と総資本の差額、すなわち遊休資本を整理・圧縮することがまず必要であり、その上で、使用資産の一つ一つについて評価を行い、経済合理性に適応的でない資本を圧縮することになります。

 人的資本は物的資本や財務的資本といった無機物とは異なる有機的な存在です。人には感情や心があり、限定された合理性を持つことから外面的に顕在化する能力を一定不変のものと認識することが困難な資本です。経営の中心的な資本であると同時に経営そのものを形成する主体的存在でもあります。したがって、人的資本の良否が経営の質の良否を左右することになります。経営環境が複雑化する中で、好ましいビジネス・システムを構築し、物的・財務的資本の経済合理性を確保しても、戦略を実践しビジネス・システイムを動かすのは人とその集団としての組織だからです。現在のような経営環境下では、決まりきった定型的な職務を担当するだけでは企業の業績を高めることはできず、予測不可能な事態や状況に対して臨機の対応が必要となります。そのような意味から考えるとき、人的資本は常に圧縮する対象としてとらえることは不可能であると同時に不適切です。とはいうものの、人件費は、人的資本と付加価値の関係性を考慮しコストとして認識しなければなりません。獲得した付加価値に対する人件費の配分比率としての労働分配率を適正に保つことを前提として、人と組織の有効性を高めることが必要不可欠になります。

 組織構成員の協力・協働関係の形成が組織の有効性を高めますが、構成員個人の合理的な選択行動は組織集団的ジレンマを生み出す可能性を孕みます。そのために組織の編成には慎重な姿勢と十分な施策策定が必要になります。その中心的な検討項目は、

1)組織構成員の道徳性と相互協力関係
2)組織業績と個人業績におけるインセンティブ
3)対環境感受性を考慮した職務遂行単位の編成
4)リーダーの選任と権限委譲
5)情報の共有化と意思の公表
等です。

 ここから組織の有効性を高め業績を上げるための人的資本管理や組織能力開発等に関する指針が得られることになります。

 以上に示した企業の主要各機能についての全体的・一体的施策を内的、外的に整合性を持たせて再構築することで経営改善は可能となります。現在、業績の思わしくない企業は、早急に各機能の調査、診断を行い、時間軸と改善水準のバランスを考慮して改善策を策定し実践に移すことが必要となります。また、現在業績の良い企業は、定期的に諸機能の環境に対する適応度を診断、分析しておくことが必要であると考えられます。私たちIPCは経営改善についてのロジックを明確にすると同時に支援・指導に関する豊富な経験とノウハウを保有しております。企業の再生にむけた診断・指導や企業成長のための定期診断にご活用頂けることを願っております。
posted by Intelprise Consulting | 経営支援コンセプト